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03/28/12:23  ユニバーサルデザインと業務システム


ユニバーサルデザインという言葉を聞いたことがある人は多いだろう。

私の中でのユニバーサルデザインのイメージは、どちらかというと、
建物や施設などが身体障がい者の方にとって使いやすかったり、
公的なWebサイトなどで、視覚や聴覚に障がいを持つ方にとってわかりやすかったり、
というイメージが強い。

ただ、一般的な定義で言えば範囲はもっと広い。

Wikipediaでは

「ユニバーサルデザイン(Universal Design、UD)とは、文化・言語・国籍の違い、老若男女といった差異、障害・能力の如何を問わずに利用することができる施設・製品・情報の設計(デザイン)をいう。」

などと定義されている。

また、これに関連して有名な7原則というのがある。

こちらもWikipediaからの抜粋になるが

ユニバーサルデザインの7原則

The Center for Universal Design, NC State University による。

1. どんな人でも公平に使えること。(公平な利用)
Equitable use
2. 使う上での柔軟性があること。(利用における柔軟性)
Flexibility in use
3. 使い方が簡単で自明であること。(単純で直感的な利用)
Simple and intuitive
4. 必要な情報がすぐに分かること。(認知できる情報)
Perceptible information
5. うっかりミスを許容できること。(失敗に対する寛大さ)
Tolerance for error
6. 身体への過度な負担を必要としないこと。(少ない身体的な努力)
Low physical effort
7. アクセスや利用のための十分な大きさと空間が確保されていること(接近や利用のためのサイズと空間)
Size and space for approach and use

というものだ。

まさに、誰にとっても利用することができる、という感じだ。

我々も、ECサイトや不動産や求人情報などの紹介サイトなどは、多種多様なユーザーを想定する必要があるので、そんなシーンにおいてはこの7原則は有効だろう。

ただ、業務システムはどうだろうか?

ここではより狭義の業務システム、すなわち、業界や業務形態、業務フローなどが特殊であるが故に、一般のパッケージやASPでは非効率が発生するため、ゼロからフルスクラッチで作成するようなシステムを想定する。

このようなケースにおいては、ベストなシステムはかなり尖ったものになり得る。さらに言うと、そのシステムのユーザーでも、そのシステムに接している時間の長短、権限の有無、重要性の高低などには違いがあり、どのユーザーにとってベストなシステムかと細分化してみる必要がある。

実は世の中で実際に稼働している業務システムは、このようにより狭い範囲の人間のために最適化されていることが多い。外から見ると、一見して、イケていないなとか酷いシステムだなと思うものでも、それが出来上がった背景には歴史や思い入れがある。それはおそらくそのプロジェクトを担当したSEやクライアントの担当者しか完全には理解できないものであろう。

ということで、世の中にこんなにもたくさんの便利なクラウドサービスやフリーソフトが出回っても、オリジナルの業務システムをスクラッチで構築したいという要望が消えることがないのは、上で書いたように、誰にとっても良いものではなく、ある特定の人間にとって最高(もしかする大勢の人にとっては最悪)なシステムを作りたいという要望がなくなることはないからである。

築地市場の競りのやり方をもっと誰にでもわかりやすい仕組みにする必要もないし、何かのコレクションをたくさんディスプレイしているマニアな人の部屋をホテルのような部屋に変える必要もない。

フルスクラッチの業務システムは、大量生産とは異なる工程や手法で作成するので確かに手間がかかり価格も高くなる。

でも、私たちの作る業務システムの贅沢さは、特別に作っている工程にあるのではない。特別に作られたものを使い続け、毎日その利便性などを享受できる、その日常こそが「贅沢」なのである。

つまり、フルスクラッチで作ったから価値があるのではない。

背景に、まるで、二日酔いの朝にその人の健康を気遣って出されるお茶漬けのような優しさが溢れているからこそ、私たちの作るフルスクラッチの業務システムは価値があるのだと思っている。

皆のアイドルのような誰からも好かれるシステムではなく、あなたのことを理解して常に寄り添ってくれる伴侶となるような業務システムに出会いたくなったら、いつでもお声がけいただければ幸いである。





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